前日のレッツスピーク

You don't realize the blessing of health until you have lost it.
健康を失って初めてそのありがたみがわかるものだ。

個人的に、高校のときからずっと苦手にしている表現です。学校では前置詞や論理反転のイメージをきちんと教えてくれないので。

  • not [きっかけが訪れるまで経験しなかったこと*1] until [経験するきっかけ]

上の例文でいうと、[きっかけが訪れるまで経験しなかったこと]は「健康のありがたみがわかること」で、[経験するきっかけ]になったのは「健康を失うこと」です。
「健康のありがたみがわかること」を[A]、「健康を失うこと」を[B]と置き換えると、次のような順序でものごとが起こります。

  • not [A] → [B] → [A]

つまり、[B]の出来事をはさんで、"not [A] → [A]"への変化を描写するのですが、その一連の流れの中でスポットライトが当てられているのが"not [A] → [B]"の部分なんですね。経験してなかった期間の長さやきっかけを強調している表現だと思います。
「初めて〜した」という訳語が、この表現を理解しにくくさせているような気がします。正しくはそのまま「…するまで〜してなかった」ではないでしょうか。
あと、時制の問題もからんでいます。主節の時制が過去形だと、すでに主語の人の身に起こった経験談になりますが、上の文は現在形で主語も"You"なので、一般的な教訓話のような調子です。"until"以下の"have lost"は、経験を意味する現在完了形ですね。
さあ、発音してみましょう。

*1:きっかけ後、経験として蓄積