ベジャール、バレエ、リュミエール

ベジャール、バレエ、リュミエール

フランスの振付師モーリス・ベジャールの新作バレエ『リュミエール』。その舞台の完成までを追ったドキュメンタリー映画『ベジャール、バレエ、リュミエール』を観てきた。
僕はバレエについて何の知識も理解もないので、見所を認識できていないことは言うまでもないが、1つの映画としては、アプローチの面で、どっちつかずな印象が残った。
バレエとその舞台裏という、絵としては充分美しい被写体を外面的に追うことに徹するでもなく、ベジャールの内面の追求に徹するでもない。被写体は頻繁な編集で断片化され、それがあまりいい効果を挙げていないように思う。知識のない観客としてはそれほど楽しめない95分間だった。残念。
ただ、バレエという表現に対するカルチャー・ショックはあったと思う。日本人がやったら照れくさくてとても見てられないような表現内容に、真剣に取り組んでいる振付師と若手のダンサーたちの様子を目の当たりにすると(しかもその身のこなしの優雅さが浮いていない)、彼らは文化の中に生きているのだなぁ、という一日本人としての強い異文化を感じた。それはフランス文化という異界に対する畏怖のようなものだ。洗練に洗練を重ねた結果、頭打ちになった文化の国のそれでも伝統としての大人の文化。
それにしても日本人の文化は、どんどん子供化していきますね。

フランスの振付家モーリス・ベジャールは、厳格なクラシック・バレエの技術にこだわりながらも、ジャズや東洋の踊りから着想をえた斬新(ざんしん)で想像力あふれる舞台を演出、現代バレエの神様とよばれる。*1

現代バレエのファンだったら、現場での彼の姿が見れるだけできっとウキウキなのでしょうね。そういう気持ちは僕もわかると思う。

*1:エンカルタ 総合大百科より