放生会へ行く

僕は福岡生まれで福岡に在住しているのだが、毎年筥崎宮(はこざきぐう)で開かれる秋のお祭り、放生会(ほうじょうや)に昨日行ってきた。子供の頃行ったきり、ずっと行っていなかったけれど、そのときの印象ですごくたくさんの露店が並んでいたことが印象に残っていた。その雰囲気にのまれていた思い出がある。
それで大人になって行ってみたのだが、やはり大きな規模のお祭りだった。露天の数は軽く100を超えているかもしれない(上のサイトによれば700!)。露天のトレンドとしては金魚すくいならぬ「亀すくい」、またトレンドと関係ないところでは、放生会名物(らしい)「新生姜」の販売や器の「焼き物」が目立っていた。昔僕も買ってもらった「水笛」などは懐かしかったが、定番だった「りんご飴」なんかは影を潜めていた。「お好み焼き」「たこ焼き」「焼きそば」「焼きもろこし」「ラムネ」「焼き鳥」「いか焼き」「かき氷」「射的」「ヨーヨー」「金魚すくい」「お面」などはどこのお祭りでも変わらぬ風景だが、これだけ並ぶと圧巻だ。博多名物の屋台も裏通りに出ていた。昔入ったお化け屋敷も今だ健在で、現代とのずれ方がいい雰囲気を醸し出していた。
境内で地元の和太鼓の演奏を聞く。福岡空港に近いことから飛行機が頭上を通り過ぎていって、太鼓の鼓動が一時的にかき消される。どこかで別の太鼓の音が聞こえる。通り過ぎてゆく人が水笛を吹いている。音の混ざり方が独特だ。平日だったから浴衣は少なかったけれど、18日の最終日はたくさんの帯で賑わうだろう。

おみくじの内容を検討する

僕は神社へ行くと必ずおみくじを引く(賽銭はほとんど投げないけど)。一つは確率論的なスリルを満たすため、もう一つはおみくじ作者のもつ人間的洞察に触れるため。2つのどちらに比重があるかは、おみくじを引く人によると思うが、後者の観点から現在の自己をチェックすることは、なかなか意味深げな認識と作用を一時的に僕に与えてくれる。たとえばこの前引いたおみくじにはこんなのがあった。「学問 危うし全力を尽くせ」。

さて、今回の筥崎宮のおみくじ(中吉)で気になる項目に相づちを打ってみようという試み。
まず冒頭にこのような文句が。

人の幸福を喜べる心が自分の幸福を生むのである。

むむ、いきなり重い。自分が人にやってあげたことを何らかの形で回収しようとする意識より、自分の助けを歓迎しているその人の喜びにシンクロしよう、というふうに解釈する。

運勢 諸事進み功を遂げ業務繁栄 漸進吉、急進不可

そうそう、急進不可なんですよね、今は。

願望 功を急ぐな 有力者に頼って利

うっ、有力者が周りにいない。(笑

恋愛 焦るな 落ち着いて気長にかかれ

やっぱりですか。

学問 好成績 安心禁物

前回と妙に一貫性があるなぁ。
筥崎宮のおみくじはちょっと淡白だな、と思う。項目を下るごとに記述がどんどん短くなっていく。最後の項目なんて2文字。読み進めるにつれて愛想がなくなっていくような…。